沈み込み帯の温度圧力条件における窒素を含む芳香族化合物の相変化と化学反応

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タイトル別名
  • Phase change and chemical reaction of a nitrogen-contained aromatic compound at high-pressure and high-temperature conditions of subducting slab.

抄録

沈み込むスラブにおいて、有機物がどの程度の深さまで沈み込みうるのか、化学組成や分子構造がどのように変化するのかを明らかにすることは、全球規模での軽元素循環の解明のために重要な課題である。本研究では、堆積物中の有機物の主要構成物質の一つである芳香族化合物を対象として、スラブの沈み込みに伴う組成、分子構造の変化を明らかにするために深さ50 km程度までの沈み込み最上部に相当する<2.5 GPa, <300℃での外熱DACおよびピストンシリンダーによる高温高圧実験を行った。室温では0.4 GPa, 120℃では0.6 GPaで高圧相が観察された。さらに、250℃前後以上で徐々に試料室の様子が変化し、270-280℃で回折パターンが観察されなくなった。不可逆な化学反応が起きたと考えられる。ピストンシリンダー実験の回収試料の分析から、0.5/1.0 GPaでは250℃以上、1.5 GPaでは275℃以上で、フタラジン残留量の顕著な減少と、分解、重合反応による生成物が観察され、化学反応が起きた事が認められた。さらに回収試料のN/C比の顕著な低下が観察され、重合反応の際に、窒素が選択的に放出されることが示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390283659840118656
  • NII論文ID
    130007786164
  • DOI
    10.14824/jakoka.2018.0_94
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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