秒の再定義に向けての原子時計の新しい進展―秒の二次表現― (解説)

  • 洪 鋒雷
    産業技術総合研究所計測標準研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Progress of Atomic Clocks toward the Redefinition of the Second : The Secondary Representations of the Second
  • 秒の再定義に向けての原子時計の新しい進展--秒の二次表現
  • ビョウ ノ サイテイギ ニ ムケテ ノ ゲンシ ドケイ ノ アタラシイ シンテン ビョウ ノ 2ジ ヒョウゲン

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説明

1999年に超短パルスレーザによる光周波数コムが誕生して以来,冷却原子の光遷移に基づく光周波数標準(光時計)に関する研究が大きく進展した.イオントラップ方式の光時計に加えて,光格子方式の時計も新たに登場し.さらに従来のマイクロ波原子時計も交えて,原子時計の大競争時代となっている.国際度量衡委員会は「秒の二次表現(Secondary representations of the second)」(新しい秒の定義の候補)として,^<88>Sr^+の5s ^2S_<1/2>-4d ^2D_<5/2>遷移(光),^<199>Hg^+の5d^<10>6s ^2S_<1/2>-5d^9 6s^2^2D_<5/2>遷移(光),^<171>Yb^+の6s ^2S_<1/2>-5d ^2D_<3/2>遷移(光),^<87>Srの5s^2 ^1S_0-5s5p ^3P_0遷移(光)及び^<87>Rb基底状態の超徴細遷移(マイクロ波)に基づく五つの原子時計を暫定的に決めた.本稿では,秒の定義の変遷を振り返り,光周波数コムの誕生によるレーザ周波数計測の進歩を紹介し,光時計の発展及び「秒の二次表現」への採択について解説する.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 65 (2), 80-88, 2010-02-05

    一般社団法人 日本物理学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (35)*注記

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