当院における水素・メタン呼気試験を用いた小腸内細菌異常増殖症(SIBO)の診断・治療

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<p>【目的】 ブドウ糖負荷終末呼気水素・メタン分析を用いた当院におけるSIBOの診断、治療経過を遡及的に検討した。</p><p>【方法】 対象はSIBOが疑われた7例(クローン病3例、慢性偽性腸閉塞症3例、難治性過敏性腸症候群1例、年齢13歳-68歳;中央値42歳、男性4例:女性3例)。75gブドウ糖内服前、後5、10、20、30、40、50、60、75、90分後に終末呼気を採取し、水素・メタンガス濃度を解析した。SIBOの定義は10ppm以上または基準値から12ppm以上の上昇とした。</p><p>【結果】 4例(57%)が以下のようにSIBOと診断された。</p><p>症例①(13歳男性)主訴:下痢、小腸大腸クローン病にて他院より糞便移植(FMT)目的で紹介、75gブドウ糖内服5分後に水素濃度19ppm(Δ16ppm)、FMT施行後より病状改善・安定。</p><p>症例②(60歳性)主訴:下痢・浮腫・食思不振・腹部膨満にて紹介、75gブドウ糖内服40分後に水素濃度20ppm(Δ17ppm)、特発性慢性偽性腸閉塞によるSIBO、Leaky gut症候群、吸収不良症候群と診断、リフキシマ内服にて改善、現在は下剤にて症状コントロール。</p><p>症例③(45歳男性)主訴:下痢、小腸大腸クローン病にて他院よりFMT目的に紹介、75gブドウ糖内服90分後に水素濃度53ppm(Δ49ppm)、FMT含め治療により便回数・便形状ともに若干改善。</p><p>症例④(42歳男性)主訴:下痢・腹痛、小腸大腸クローン病にて他院よりFMT目的に紹介、75gブドウ糖内服30分後・50分後に水素濃度26ppm(Δ9ppm)、FMT施行も効果なし。</p><p>【考察】 クローン病や慢性偽性腸閉塞などSIBOの原疾患は多彩であり、またその治療法は確立していない。今後、症例を積み重ね、病態の詳細な検討が必要と考える。</p>

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