巨大磁気抵抗効果(GMR)からトンネル磁気抵抗効果(TMR)へ (解説)

  • 前川 禎通
    (現)日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター:東北大学金属材料研究所
  • 家田 淳一
    (現)日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター:東北大学金属材料研究所

書誌事項

タイトル別名
  • From GMR to TMR
  • 巨大磁気抵抗効果(GMR)からトンネル磁気抵抗効果(TMR)へ
  • キョダイ ジキ テイコウ コウカ GMR カラ トンネル ジキ テイコウ コウカ TMR エ

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説明

数原子層の厚さの強磁性金属と非磁性金属を交互に積み重ねた金属多層膜では磁界により電気抵抗が大きく変化する.1988年に発見された,この現象,巨大磁気抵抗効果(GMR),は磁性と電気伝導の様々な問題を提起するとともに,スピンエレクトロニクス(スピントロニクス)と呼ばれるナノテクノロジーの新分野を生み出した.そして,現在,数原子層の絶縁体を強磁性金属ではさんで得られるトンネル素子の磁気抵抗効果(TMR)がより大きな基礎および応用の分野へと発展している.さらに,これらの研究はナノメートル領域での電荷の流れ(電流)と磁気の流れ(スピン流)の相互作用から生み出される物理現象としての理解が進んでいる.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 65 (5), 324-330, 2010-05-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (45)*注記

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