粒子線励起X線放出(PIXE)とその応用 (解説)

書誌事項

タイトル別名
  • PIXE and Its Applications
  • 粒子線励起X線放出(PIXE)とその応用
  • リュウシセンレイキXセン ホウシュツ PIXE ト ソノ オウヨウ

この論文をさがす

抄録

高エネルギー荷電粒子が原子に衝突すると,原子の内殻電子が電離し,特性X線が発生する.この現象は,粒子線励起X線放出(Particle Induced X-ray Emission:PIXE)と呼ばれている.K殻電離の場合,電離過程は理論的に良く説明でき,その断面積はあるスケーリング則に従う.PIXEにおいて発生する特性X線の発生断面積は非常に大きいので,微量元素分析に応用でき,ナトリウムからウランまでの元素を同時にppbの感度で検出できる.ビームを走査すると,試料に含まれる元素の濃度分布を画像として得ることもできる.また,ビーム径がミクロンサイズのマイクロビームを用いると,細胞の内部の元素の分布を調べることができる.さらに,マイクロビームを金属ターゲットに照射すると,その特性X線の点線源が作成され,準単色X線のミクロンCTが可能となり,小動物の体内を生きたままで観察できる.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 66 (1), 12-19, 2011-01-05

    一般社団法人 日本物理学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (29)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ