脳静脈洞血栓症に続発する硬膜動静脈瘻:分かっていること,分からないこと

書誌事項

タイトル別名
  • Dural Arteriovenous Fistula after Cerebral Venous Sinus Thrombosis ‒ What Remains Still Unrevealed? ‒
  • ノウ ジョウミャクドウ ケッセンショウ ニ ゾクハツ スル コウマクドウ ジョウミャクロウ : ワカッテ イル コト,ワカラナイ コト

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説明

<p>静脈洞血栓症(CVST)に続発する硬膜動静脈瘻(DAVF)(DAVF after CVST)の存在はよく知られているが,その発症や進展のメカニズムや病態の特徴などについては,依然として不明の点が多い.ここでは,過去の報告と自験例を踏まえて,(1)先行するCVST にDAVF が続発する頻度,(2)CVST にDAVF が続発する条件,(3)DAVF after CVST の性差,(4)DAVF after CVSTの発症と進展パターンとそのメカニズム,の四つのポイントに絞って検討した.現時点でも未解明の部分が少なくないものの,以下のような一定の傾向を有していると考えられる.DAVF after CVST は,治療後も血栓が残存したCVST に続発し,多発性DAVF や上矢状静脈洞近傍の円蓋部DAVF を呈することが多い.また,早期には静脈洞血栓の残存部にAVF を形成して血栓内新生血管を流出路とし,流出部を中心に静脈性高血圧による二次性DAVF を形成する可能性が示唆された.残存血栓を有するCVST は3 年以上の注意深い画像追跡が必要である.</p>

収録刊行物

  • 脳血管内治療

    脳血管内治療 5 (1), 65-71, 2020

    一般社団法人 日本脳神経血管内治療学会

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