歯科初診患者の歯周病重症度と口腔関連QOLの関連性

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タイトル別名
  • Relationship between Severity of Periodontal Disease and Oral Health Related Quality of Life of New Dental Patients

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抄録

<p>従来,歯周病重症度の診断や治療のアウトカムは,プロービングデプスなどの生物医学的データにより客観評価されてきたが,近年,医療において生活の質に焦点を当てた臨床・研究の重要性が高まりつつある。そのため,本研究では歯周病の重症度と初診患者の口腔関連QOLとの関連性を明確にすることを目的とした。2014年11月~2017年7月までのなかい歯科の初診患者のうち,30~64歳の者を対象として,カルテおよびサブカルテから基本情報を抽出した。歯周病の重症度は初診時の歯周基本検査の結果をCPIに変換し,4群(C,P1,P2,P3)に分類した。同じく初診時に調査したOral Health Impact Profile Short Version(以後,OHIP-14)を用いて口腔関連QOLを評価した。OHIP-14の合計スコアおよび7つのサブドメインスコアを算出し,歯周病重症度の異なる4群を比較した。OHIP-14の合計スコアと「機能的問題」にはP1-P3間とP2-P3間に有意差が認められ,「不快感」についてP1-P3間に有意差が認められ,P3群が有意に高かった。本研究より,今回検討した歯科医院の初診患者において,歯周病の重症度と口腔関連QOLには関連性が認められ,歯周病が重症の患者ほど主観的に口腔機能が低下し,不快感が増加し,QOLが低くなることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 日本歯周病学会会誌

    日本歯周病学会会誌 61 (4), 168-177, 2019-12-27

    特定非営利活動法人 日本歯周病学会

参考文献 (13)*注記

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