昭和初期における生活教育の展開

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Life Education in the Early Showa Period:
  • 昭和初期における生活教育の展開 : 兵庫県古市尋常高等小学校の「教科の生活化」に注目して
  • ショウワ ショキ ニ オケル セイカツ キョウイク ノ テンカイ : ヒョウゴケン コ シ ジンジョウ コウトウ ショウガッコウ ノ 「 キョウカ ノ セイカツカ 」 ニ チュウモク シテ
  • Focused on the Application of the School Subjects to Daily Life in Furuichi Jinjo Higher Elementary School in Hyogo Prefecture
  • ― 兵庫県古市尋常高等小学校の「教科の生活化」に注目して ―

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説明

本研究の目的は,新教育運動の衰退が進む中,郷土教育運動や生活綴方運動が盛んになる前夜ともいえる昭和初期,すなわち1927(昭和2)年から1929(昭和4)年までの時期に,一般の公立小学校において行われていた生活教育の実践は,何を目指して,どのように展開されたのか明らかにすることである。この目的のために焦点を当てたのは,兵庫県古市尋常高等小学校で行われた生活教育実践であり,同校に関する資料を用いることにより次の二つのことが明らかになった。一つは,「生活教育の徹底」という兵庫県の教育方針に基づき,同校は児童の学習を生活と結びつけるという「教科の生活化」を独自の視点から進めたことである。それは「児童生活の顧慮」という点から,児童の学習を直観や,具体性を通した理解,さらには行動につなげることを重視するというものであり,県の一般的な教育方針に具体的で実践的な内容を提示する試みであった。もう一つは,同校の生活教育が,児童の発表の習慣を重視するという,大正期に及川平治の指導を通して得た実践的経験を踏まえて展開されたということである。

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