リン酸化セルロースナノファイバーの特性評価と用途展開

  • 田中 利奈
    王子ホールディングス株式会社 イノベーション推進本部

書誌事項

タイトル別名
  • Characterization and Application Development of Phosphorylated Cellulose Nanofibers
  • リンサンカ セルロースナノファイバー ノ トクセイ ヒョウカ ト ヨウト テンカイ

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説明

<p>近年,持続可能な社会の実現に向けて,木質バイオマスの多面的な利用が求められている。セルロースは樹木の主要構成成分の一つであり,地球上に豊富に存在する高分子材料である。このセルロースを利用した新規材料として,セルロースナノファイバー(以下,CNF)が注目されている。CNFはセルロース分子鎖が規則的に配列した高結晶性のミクロフィブリルであり,軽量・高強度・高弾性率・低線熱膨張係数・大比表面積といった特長を有する。水系・溶剤系増粘剤や透明な構造部材等での利用が期待されている。</p><p>当社では,微細化に要するエネルギーを削減し,幅3-4nmまで完全ナノ化可能な手法として,「リン酸エステル化法」を確立した。本手法はリン酸塩及び尿素を添加して短時間加熱するというシンプルなプロセスであるにも関わらず,微細化エネルギーを削減して,パルプを完全ナノ化CNFに変換可能である。本稿では,リン酸化エステル化CNFの製造方法やその特性,また,今後の応用展開について紹介する。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 73 (11), 1080-1083, 2019

    紙パルプ技術協会

参考文献 (7)*注記

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