• 城倉 健
    横浜市立脳卒中・神経脊椎センター神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • 第120回日本耳鼻咽喉科学会総会パネルディスカッション 慢性めまいへの対応 : 脳梗塞後遺症めまい
  • ダイ120カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ パネルディスカッション マンセイメマイ エ ノ タイオウ : ノウコウソク コウイショウメマイ

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説明

<p> 梗塞が脳の平衡維持にかかわる部位に生じればめまいを来すが, 急性期を過ぎると時間とともに軽減する. しかしながら, 時に急性期を過ぎた後も長期間めまいが遷延することがある. 例えば延髄外側梗塞では, 一部の患者で長期間めまいが遷延することが知られている. こうした延髄外側梗塞後のめまいの遷延には, 前庭神経核の小脳からの脱抑制が関与している. 最近われわれは, 延髄外側梗塞後の遷延性めまいに対し, 反復経頭蓋磁気刺激 (rTMS) を用いた小脳賦活による前庭神経核の再抑制を試み, めまいを軽減することに成功した. 電気生理学的に前庭神経核が再抑制されていることも確認できた. 一方, 大脳に生じた多発性脳梗塞も遷延性めまいの原因になり得る. 大脳多発性脳梗塞による遷延性めまいには, 脳幹小脳による平衡維持反射の大脳からの脱抑制が関与している. 以前われわれは, 半年間の血管拡張薬投与が, 大脳多発性脳梗塞による遷延性めまいを軽減することを明らかにした. 治療により前庭眼反射の固視抑制率が上昇し, 大脳の局所脳血流量が脳幹や小脳に対して相対的に増加することも確認できた. 脳梗塞後のめまいの遷延には, 梗塞部位よりも「脱抑制」という病態が重要であるのかもしれない.</p>

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