日本海三階層管理の提案

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タイトル別名
  • Proposal of Three-layer Management in Japan Sea
  • ニホンカイ サン カイソウ カンリ ノ テイアン

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抄録

日本海は多国間に囲まれる国際的閉鎖性海域である.また,その上流域には東シナ海が位置し,対馬海峡を通じて海水や熱,して様々な物質が日本海へと運ばれている.さらに近年は,地球温暖化が日本海の海水温にも影響を及ぼしていることが報告されているほか,中国における急速な経済発展が東シナ海を通じて及ぼす影響など,様々な変化にさらされている.このような状況にある日本海において,その沿岸海域の管理を検討するため,日本海を対象とした新たな低次生態系モデルや,日本海の代表的な水産資源であるスルメイカ及びズワイガニの卵・幼生の輸送生残数値モデルを開発し,日本海の環境や生態系への,地球温暖化や東シナ海からの影響の解明に取り組んだ.その結果,日本海の沿岸域管理に関しては,従来の陸から沿岸域までをカバーする流域管理だけを考えるだけでなく,日本海全体,さらには東シナ海との関係を含めた広域的な視点も含めた管理が必要となることが明らかとなってきた.そこで,我々のグループでは“日本海三階層管理”といった,日本海沿岸域のための新たな考え方を提案した.本稿ではこれまでの研究成果と日本海三階層管理の考え方について述べる.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 56 (1), 31-38, 2018

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

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