福岡湾の栄養塩濃度と植物プランクトン種組成の 18年間(1993-2010年)の変化

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タイトル別名
  • Changes in Nutrient Concentrations and Species Composition of Phytoplankton in Fukuoka Bay, Japan during an18-year Period from1993to2010
  • フクオカワン ノ エイヨウエン ノウド ト ショクブツ プランクトンシュ ソセイ ノ 18ネンカン(1993-2010ネン)ノ ヘンカ

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抄録

1993年から2010年までの福岡湾の栄養塩濃度と植物プランクトンの種組成の変化について検討した.溶存態無機窒素 (DIN)濃度はおおむね横ばいで推移したが,溶存態無機リン(DIP)濃度は経年的に低下した.クロロフィルa(Chl a) 濃度は1993-2000年には低下傾向を示し,2001-2005年は低位横ばいで推移した後,2006-2010年の期間は上昇し た.1993-2001年に主な優占種であったSkeletonema spp. およびThalassiosira spp. は2002年以降減少し,Chaetoceros spp.が優占する頻度は増加した.2007年以降は細胞密度の増加に伴い,Leptocylindrus spp. およびNitzschia spp. の優占する頻度が増加した.DIP 濃度の低下により,福岡湾の植物プランクトンはリン制限に陥りやすく,その結果としてChl a 濃度の低下(1993-2005年)が起き,さらに珪藻の種組成の変化とともにChl a 濃度が上昇(2006-2010年)したものと推察される.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 56 (2), 133-141, 2019

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

被引用文献 (1)*注記

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