重症慢性肺炎罹患牛の気管支肺胞洗浄液からの細菌分離と薬剤感受性

  • 藏前 哲郎
    ㈱藏前動物病院 山口大学大学院連合獣医学研究科
  • 石川 真悟
    山口大学大学院連合獣医学研究科 鹿児島大学共同獣医学部
  • 林 淳
    山口大学大学院連合獣医学研究科 みやざき農業共済組合
  • 津曲 圭太
    山口大学大学院連合獣医学研究科 曽於農業共済組合
  • 乙丸 孝之介
    山口大学大学院連合獣医学研究科 鹿児島大学共同獣医学部
  • 帆保 誠二
    山口大学大学院連合獣医学研究科 鹿児島大学共同獣医学部

書誌事項

タイトル別名
  • Bacterial Isolation and Antimicrobial Susceptibility from Bronchoalveolar Lavage Fluids of Calves with Severe Pneumonia
  • ジュウショウ マンセイ ハイエンリカンギュウ ノ キカンシ ハイホウセンジョウエキ カラ ノ サイキン ブンリ ト ヤクザイ カンジュセイ

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抄録

<p>本研究では,臨床的に重症慢性肺炎と診断された黒毛和種牛50頭から鼻咽頭スワブ(Swab)及び気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取し,細菌分離とともに,その薬剤感受性を調査した.Swab及びBALFからはおもにMycoplasma bovis 及びPasteurella multocida が分離されたが,同一牛において両検体から同一細菌種が分離された割合は比較的低かった.また,BALFから分離されたM. bovis 及びP. multocida は,おもにフルオロキノロン系抗菌薬に感受性であったが,Swabから分離された同2菌種の同系抗菌薬に対する薬剤感受性は低かった.以上より,重症慢性肺炎罹患牛の鼻咽頭領域及び気管支肺胞領域からは,おもにM. bovis 及びP. multocida が分離されるが,同一供試牛から分離された同一菌種の細菌であっても,薬剤感受性が異なる可能性があることから,重症慢性肺炎罹患牛においてSwabによる肺炎原因菌の推定には慎重を要すると思われた.</p>

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参考文献 (7)*注記

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