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- 石地 尚興
- 東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
書誌事項
- タイトル別名
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- Questionnaire survey on the situation of syphilis treatment in Japan
- ワガクニ ニ オケル バイドク チリョウ ノ ジッタイ ニ カンスル アンケート チョウサ
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説明
現在わが国では世界の標準である持続型ペニシリンの筋注が行えないためペニシリン内服療法が一般的に行われているが、その実態は明らかではなく、有効性の検証も十分なデータがない。そこで、日本性感染症学会員を対象にアンケートによる梅毒治療の実態調査を行った。その結果、91.5%で日本性感染症学会ガイドライン2016に従った治療、すなわち第1期ではバイシリンG:1日120万単位/分3またはアモキシシリン1日1,500 mg/分3 2~4週間内服投与、第2期ではバイシリンG:1日120万単位/分3またはアモキシシリン1日1,500 mg/分3 4~8週間内服投与が行われていた。これを逸脱した治療で多かったのはプロベネシド併用およびアモキシシリン3,000 mg/分3であった。80.8%が治療失敗の経験はないと回答し、治療失敗の経験があるとした回答者にその理由を尋ねたところその理由で最も多かったのは患者がきちんと内服しなかったことであった。内服療法には服薬アドヒアランスの問題があるため、88.7%が筋注療法の導入を希望した。
収録刊行物
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- 日本性感染症学会誌
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日本性感染症学会誌 30 (1), 7-12, 2019-10-11
一般社団法人日本性感染症学会