当院で診療した梅毒症例の発生動向と診断状況に関する検討

  • 吉川 晃司
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター感染制御部
  • 八木 道隆
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター中央検査部
  • 清田 浩
    東京慈恵会医科大学葛飾医療センター泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical analysis of trends and diagnosis of patients with syphilis treated in The Jikei University Katsushika Medical Center
  • トウ イン デ シンリョウ シタ バイドク ショウレイ ノ ハッセイ ドウコウ ト シンダン ジョウキョウ ニ カンスル ケントウ

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説明

2012~2017年に当院で診療した活動性梅毒64例の発生動向と診断状況を調べ、総合病院での梅毒診療の現状を検討した。顕性梅毒は43例で初診時の診療科は内科、皮膚科で半数以上を占めたが、多彩な症状から多くの診療科に受診していた。他疾患が疑われ診断に苦慮した例が4例、RPR 16 R.U.未満で臨床症状、TPLA陽性から診断された早期顕性梅毒例が7例にみられた。無症候性梅毒は21例で、推定感染経路では男性異性間、女性が全国調査に比べ高い傾向があり、多くが侵襲的処置前、入院時等での感染症スクリーニング検査が契機で診断された。定性検査陽性判明時に定量検査が行われず診断が遅れた例が2例あり、定性結果の見落としが原因と推定された。臨床医は積極的に梅毒抗体検査を行い臨床所見と併せて総合的に判断すること、梅毒抗体定性検査陽性の際は必ず定量検査を行い、定量検査の実施漏れを防ぐ対策が必要であると考えられた。

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