海底重力計の開発と海底熱水鉱床探査への適用

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タイトル別名
  • Development of a new ocean bottom gravimeter and its application to exploration of seafloor massive sulfide deposits
  • カイテイ ジュウリョクケイ ノ カイハツ ト カイテイ ネッスイ コウショウ タンサ エ ノ テキヨウ

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抄録

<p>海底重力測定には海域で陸上と同等精度の重力データが得られるというだけでなく,探査対象に接近して測定を行えることから,船上重力測定では得られない振幅が大きく明瞭な重力異常か観測可能という特徴がある。今回,これらの特徴を最大限活用できる海域活断層調査や海底熱水鉱床などの海底資源探査のニーズに対応するために,深海でも使用可能な海底重力計(OBG-3)を開発した。SIP「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」の一環として、中部沖縄トラフの「Hakureiサイト」においてOBG-3による海底重力調査が行われた。その結果,「Hakureiサイト」における重力異常は,掘削船「ちきゅう」による海底掘削で確認された海底熱水鉱床賦存範囲と調和的な2次元密度構造モデルにより矛盾なく説明できることが分かった。また,SIP研究航海では効率的かつ安全にOBG-3を着底させるために,SIPで開発したROV曳航型探査システムが使用された。この結果,100 mの測点間移動時間を含む1点当たりの調査時間は約30分まで短縮され,海底重力調査の課題であった効率化にも解決の目処がたった。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 73 (0), 23-32, 2020

    社団法人 物理探査学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (5)*注記

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