「農民藝術」概念の現代的解釈をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • A Contemporary Interpretation of “Farmer’s Arts”
  • 「農民藝術」概念の現代的解釈をめぐって : 地域芸術論としての側面を中心に
  • 「 ノウミン ゲイジュツ 」 ガイネン ノ ゲンダイテキ カイシャク オ メグッテ : チイキ ゲイジュツロン ト シテ ノ ソクメン オ チュウシン ニ
  • From the Perspective of a Theory of Local Arts
  • 地域芸術論としての側面を中心に

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抄録

<p>本研究は,宮澤賢治が1926年に記したとされる「農民藝術概論綱要」で示された「農民藝術」という概念の現代的解釈を試みることを目的とするものである。「職業藝術家は一度亡びねばならぬ」という挑発的なフレーズを含め,生活全体を「四次元」の芸術として成立させようとしたこの芸術論は,抽象度が高いために読み手に応じて多種多様な解釈が加えられる「開かれたテキスト」としての側面を有している。本稿では,1920年代の農民文芸や農民美術等を巡る議論を踏まえ,これを「農民」に限定した芸術論として捉えるのではなく,生活と芸術との統合を志向する理念として位置づけた。また,戦後の宮澤賢治の再評価に関する言説を検討し,時代毎の解釈の変遷を辿った。結論として,かつての「農民」と現代社会における「市民」とを対比させつつ,今日の地域芸術論との接続を検討した。</p>

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