人間ドックの逐年腹部超音波検査で発見された非機能性膵神経内分泌腫瘍の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Nonfunctioning Pancreatic Neuroendocrine Tumor Identified on Abdominal Ultrasonography During an Annual Health Check-up
  • 症例報告 人間ドックの逐年腹部超音波検査で発見された非機能性膵神経内分泌腫瘍の1例
  • ショウレイ ホウコク ニンゲン ドック ノ チクネン フクブ チョウオンパ ケンサ デ ハッケン サレタ ヒキノウセイスイシンケイ ナイブンピ シュヨウ ノ 1レイ

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説明

<p> 症例は,57歳の男性.人間ドックの腹部超音波検査で境界明瞭な低輝度の膵腫瘤を指摘され,他院へ紹介された.画像検査で膵神経内分泌腫瘍と診断され,切除術が施行された.病理組織診断は膵神経内分泌腫瘍であった.</p><p> 膵神経内分泌腫瘍は,腫瘍に特徴的な内分泌症状の有無により,機能性と非機能性とに分けられる.後者は,進行して症状が現れて発見されることが多いが,画像検査の普及に伴い偶然発見される症例(膵偶発腫)もみられるようになった.今回の症例も,非機能性としては早期に発見された.</p><p> 膵がんの罹患者数,死亡者数増加に伴い,腹部超音波検診は膵腫瘍の早期発見のためにより重要になってきている.無症状で発見された膵腫瘍は,有症状例と比較して早期で,予後良好と報告されている.しかし,膵臓は後腹膜腔に存在し,消化管ガスなどの状態により,腹部超音波検査での観察条件が常に良好とは限らない.描出法を工夫するとともに,異常の有無にかかわらず逐年検診することは,進行が緩徐な膵神経内分泌腫瘍の早期発見に重要である.</p>

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