書誌事項
- タイトル別名
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- Camera perspective bias and screen display
- Establishing standards for video-recorded police interviews
- 日本独自の二画面同時提示方式と撮影焦点の観点から
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説明
これまでの研究から取調べ録画の際の撮影焦点によって、録画映像を提示した際の自白の任意性 判断が異なる camera perspective bias が示されてきた。さらに日本の取調べ録画映像は同時に 2 つの映像を提示する特殊な方式であるにもかかわらず、この方式による影響を検討した研究はあま り存在せず、多様な研究を行うことが急務となっている。本研究では 2 つの実験を行い、取調べに おける被告人の供述についての任意性判断について、裁判員が評価する際に(1)撮影焦点による差が 生じるのか、(2)単一映像提示と日本方式に差が生じるのか、という 2 点を検討した。実験 1 では画 面大の撮影焦点と提示方法を操作し、55 名を対象に実験を実施した。その結果、撮影焦点と提示 方法のどちらも自白の任意性判断に影響することが示された。さらに実験 2 では、実験 1 での日本 方式で印象評定に与えた要因を、日本方式での画面小に異なる映像を提示することで検討した。34 名に実施した結果、現在日本で採用されている俯瞰視フォーカスにおいてもっとも自白が自発的に なされていると判断されることが示された。2 つの研究から、現在採用されている日本方式は、公 正な裁判の実現を目指すならば避けるべき形式であると示唆された。
収録刊行物
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- 法と心理
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法と心理 18 (0), 70-85, 2020
法と心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390283659869218176
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- NII論文ID
- 130007828883
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- ISSN
- 24241148
- 13468669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可