妊婦のシートベルト着用方法の実態調査

DOI オープンアクセス
  • 花原 恭子
    滋賀医科大学医学部看護学科 臨床看護学講座母性看護学・助産学
  • 立岡 弓子
    滋賀医科大学医学部看護学科 臨床看護学講座母性看護学・助産学
  • 一杉 正仁
    滋賀医科大学医学部医学科 社会医学講座法医学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of seatbelt wearing methods in pregnant women

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抄録

妊娠初期から後期の妊婦を対象に、自動車乗車中にどのようにシートベルトを着用しているのかの実態を明らかにし、自動車乗車中の妊婦に対する安全教育の具体的な課題を明確にするためのアンケート調査を行った。対象は、産婦人科外来の妊婦健康診査を受診した妊婦82人である。全体の98.8%の人が自動車乗車時にシートベルトを着用しており、シートベルトを着用していなかったのは、妊娠後期の妊婦で、主に後部座席に乗車していた。また、正しく着用している人は全体の76.5%で、誤った着用方法の妊婦は23.5%であり、妊娠前期に比べて妊娠後期では有意に、正しい着用率が高かった(p<0.05)。誤った着用方法では、「腰ベルトが腹部を横断している」が31.6%ともっとも多く、「肩ベルトが上腹部を横断している」が26.3%、「腰ベルトを大腿部にしている」が21.1%と続いた。誤った着用方法では、ベルトを介して腹部に直接外力が加わることや、拘束が不十分になることが考えられ、シートベルト非着用時と同様に危険である。近年、シートベルト着用の重要性が広く啓発され、妊娠の安全に対する意識が高まりつつあるが、母親学級や両親学級、助産師外来などを活用して、家族を含めた正しいシートベルト着用方法に関する保健指導が必須である。

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