乳様突起炎に対し手術を施行した小児3症例

DOI オープンアクセス
  • 高橋 昌寛
    東京慈恵会医科大学附属柏病院耳鼻咽喉科 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 石垣 高志
    東京慈恵会医科大学附属柏病院耳鼻咽喉科 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 清野 洋一
    東京慈恵会医科大学附属柏病院耳鼻咽喉科 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 山本 裕
    東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • THREE CHILDREN WITH SURGERY FOR MASTOIDITIS

この論文をさがす

説明

<p> 乳様突起炎に対する外科的治療には鼓膜切開, 鼓膜換気チューブ留置, 乳突洞開放術, 乳突削開術等があるが手術の適応や選択についての明確な基準はない。 今回当院で耳後部切開による手術加療を行った小児3例を提示し, その治療について考察する。</p><p></p><p> 症例1は発症後5日の骨膜下膿瘍を伴う乳様突起炎の5歳女児であり, 膿瘍切開排膿と鼓膜換気チューブ留置術を施行した。 症例2は保存的加療に抵抗性を示す発症後14日の乳様突起炎の2歳女児であり, 乳突洞開放術, 鼓膜換気チューブ留置術を施行した。 症例3は顔面神経麻痺を伴う発症後4日の乳様突起炎の3歳男児であり, 乳突洞開放術, 鼓膜換気チューブ留置術を施行した。 いずれの症例も経過良好で, 術後の乳突腔の再含気化も確認された。 一般に骨破壊を伴う乳様突起炎の場合に乳突削開術の適応となることが多いとされているが, 骨破壊がある場合に限らず抗菌薬投与に抵抗する場合や顔面神経麻痺などの耳性合併症がある場合は躊躇なく乳突洞開放術を行う必要があると考える。</p>

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ