進行性腎腫瘍に対する経皮的腎腫瘍生検の検討

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  • CLINICAL CONSIDERATION OF PERCUTANEOUS RENAL BIOPSY FOR ADVANCED RENAL TUMOR

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抄録

<p> (緒言) 当院で施行した治療前診断の確定が困難であった腎腫瘍に対する経皮的生検の有用性および安全性につき報告する.</p><p> (対象と方法) 2015年1月から2017年5月にかけて当科において経皮的腎腫瘍生検を施行した13例について後方視的検討を行った.</p><p> (結果) 年齢の中央値は69歳(40~81歳),男性6例,女性7例であった.腎腫瘍の最大径の中央値は91mm(53~195mm)であった.臨床診断は腎細胞癌が12例(淡明細胞型:4例,非淡明細胞型:8例),悪性リンパ腫が1例であった.生検病理診断は,淡明型腎細胞癌が3例,嫌色素性腎細胞癌が1例,肉腫様腎癌が1例,乳頭状腎細胞癌が2例,Bellini管癌が1例,尿路上皮癌が3例,腎芽腫が1例,1例は組織診断確定に至らなかった.生検後の有害事象として,2例に肉眼的血尿,1例に発熱を認めたが,いずれもGrade 1(Clavien-Dindo分類)であった.観察期間の中央値は6カ月(1~27カ月)で,この間に腫瘍播種は認めなかった.</p><p> (結論) 腎腫瘍に対する経皮的腫瘍生検は比較的安全に施行でき,臨床診断と異なる病理診断に至る場合もあり,その結果に基づいた治療選択を行う一助となると思われる.</p>

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