幽門輪に近接した胃異所性膵管内乳頭粘液性腫瘍に対して胃内手術により幽門機能温存が得られた1例

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  • Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm Arising in a Heterotopic Pancreas Treated by Percutaneous Endoscopic Intragastric Surgery

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<p>症例は42歳の男性で,検診の上部消化管内視鏡検査にて,胃幽門前部に30 mm大の内腔型粘膜下腫瘍を指摘された.腹部造影CT,MRIで腫瘤内に多房性囊胞を伴うことから,異所性膵に発生した膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm;以下,IPMNと略記)または仮性囊胞と診断し,手術適応と判断した.腫瘤から幽門輪まで5 mmと近接し,局所切除では幽門温存が困難であるため,幽門機能温存を目的に経皮的内視鏡下胃内手術(percutaneous endoscopic intragastric surgery;以下,PEIGSと略記)を施行した.病理組織学的には膵組織とその内部に複数の拡張膵管と幽門腺様構造を認め,異所性膵に併発した胃型IPMNと診断された.胃の異所性膵は比較的高頻度に異形成やIPMN,PanINなどを伴うという報告もあり,囊胞性変化を伴う場合には切除適応が考慮される.また,本症例のように幽門に近接した胃内腔型粘膜下腫瘍に対して幽門温存の観点からPEIGSは有用な術式と考えられる.</p>

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