人工膝関節置換術後に反復する関節内血腫に対し,関節切開下滑膜切除を行った1例

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<p>【症例】81歳男性.2年前に他院で右人工膝関節置換術(以下:TKA)施行され,自立歩行で生活していたが,術後より膝関節の腫脹は持続していた.術後1年6ヶ月で段差を登った際から右膝の腫脹が増悪し,近医で血腫の吸引を繰り返すも改善なく当科紹介となった.採血で貧血の進行なく凝固能も正常であった.Xpでは明らかなコンポーネントの弛みはなく,RIで動脈性の出血は不明で塞栓術の適応はなかった.関節鏡では褐色調の滑膜増生を認めたがactiveな出血源は認めず,関節切開下での滑膜切除,インサート交換,前医で未実施の膝蓋骨置換を行った.関節の腫脹は軽減し,術後4ヶ月の時点で関節内血腫の再燃なく経過している.【考察】TKA後に反復する関節内血腫は0.1~1.6%に合併する稀な合併症であり,原因は多岐に渡ると報告されている.その病態や治療法について文献的考察を交えて報告する.</p>

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