リハビリメイクとは

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  • かづき れいこ
    REIKO KAZKI,日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科

書誌事項

タイトル別名
  • Rehabilitation Makeup

抄録

リハビリメイクとは皮膚疾患や外傷などの外観の問題に対しメイクを行い,社会復帰を促す方法で,適応症例は色みや瘢痕の被覆を行う形成外科や皮膚科のみならず,精神的フォローが必要な精神科や,機能的改善が期待される眼科など多岐に亘る.  今回,2005年6月〜2018年12月にリハビリメイクを受講した4361名に対し,メイク施術前後,3週間後にVisual Analog Scale(VAS,0mm:外観に非常に不満,100mm:外観に非常に満足),施術前,3週間後にWHO-QOL26を用いて評価を行った.いずれも3週間後はアンケート用紙を郵送し返送が確認できたものに対し検討を行った.  結果,3週間後に返送が得られたのは1994名で,VAS平均値は31(施術前),85(施術直後),56(3週間後)と推移した.WHO QOL26は項目ごとに施術前と3週間後を比較した所,全体は2.99から3.16**,身体的領域は3.30から3.38**,心理的領域は3.10から3.23*,環境は3.32から3.36*と有意に改善した(*;P<0.05,**;P<0.005).社会的領域は3.40から3.39で有意な差は見られなかった.  以上よりリハビリメイクは有効であることが明らかとなった.リハビリメイクは侵襲性がなく可逆的で,患者の意思で取り入れやすいという利点があり,治療前や治療中,治療後のいずれの段階でも有用で治療と併用して活用できる.今後,リハビリメイクの効果の検討を続けると共に普及に努めたい.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300158619392
  • NII論文ID
    130007844795
  • DOI
    10.11284/jjloa.2019.22
  • ISSN
    1884538X
    18836216
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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