書誌事項
- タイトル別名
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- 肩こりに対する母指揉捏法と母指圧迫法の効果に関する比較検討 : 生体組織硬度と気分を指標として
- カタコリ ニ タイスル ボシジュウネツホウ ト ボシ アッパクホウ ノ コウカ ニ カンスル ヒカク ケントウ : セイタイ ソシキ コウド ト キブン オ シヒョウ ト シテ
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説明
【目的】肩こりに用いられる按摩手技の中から母指揉捏法と母指圧迫法の2種類を選択し、その効果について生体組織硬度と気分の両面から分析し、各手技の特徴を明らかにするとともに肩こりに対する効果的な手技について検討することとした。 【方法】①対象:肩こりを自覚している21人(男性10人、女性11人、年齢27~49歳)とした。これらの対象者を封筒法にて母指揉捏法を行う揉捏群、母指圧迫法を行う圧迫群、無刺激対照群の3群に分けた。②施術部位:母指揉捏法あるいは母指圧迫法を研究対象者の肩上部から肩甲間部にかけて左右5分ずつ合計10分間施術した。施術は側臥位にて行った。③評価指標:生体組織硬度測定、肩こりの評価(部位、性質、程度)、気分の評価とした。なお、生体組織硬度の測定部位は肩上部中央(肩井)とし、座位にて行った。④実験行程:介入群は介入前10分間、介入10分間、介入後10分間とし、5分間隔で肩上部の生体組織硬度を測定した。対照群も同様の行程とした。肩こりの評価は実験開始前に、気分の評価は実験終了後とした。 【結果】揉捏群と圧迫群で肩上部の生体組織硬度は低下したが、対照群では認められなかった。その効果は揉捏群でより大きかった。気分は揉捏群と圧迫群で施術後、陽性気分へ変化した。 【考察】揉捏群、圧迫群ともに対照群に比して生体組織硬度は低下し、気分も陽性気分へ変化したことから肩こりには母指揉捏法も母指圧迫法のいずれの手技も有効であることが示された。しかし、凝りに対しては母指揉捏法の方が、いい気分への誘導には母指圧迫法がより効果的であることが示唆された。これらのことから圧迫法を加味した母指揉捏法が適切な手技であると考えられた。 【結語】母指揉捏法は凝りの緩解に、母指圧迫法はいい気分を誘導するのに適した手技であることが示唆された。
収録刊行物
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- 日本東洋医学系物理療法学会誌
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日本東洋医学系物理療法学会誌 41 (2), 57-64, 2016
一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390285300158647936
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- NII論文ID
- 130007844862
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- NII書誌ID
- AA12597879
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- ISSN
- 24345644
- 21875316
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- NDL書誌ID
- 028383118
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可