急性ストレス応答におけるオステオカルシンの役割

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抄録

恐怖や危機に遭遇した際に起こる心拍数や呼吸数の増加などを含む一連の生理的反応は「闘争・逃走反応」と呼ばれ,脊椎動物において高度に保存されている.これらの急性ストレス応答には交感神経系および糖質コルチコイドが関与することが古くから知られている一方,その他の因子については明らかではなかった.骨は,第一に体を形作る構造体であり,臓器を外傷から守り,素早い運動を可能にすることから,進化学的に危機を回避するために発達した器官であると捉えられる.さらに近年,骨が内分泌器官として様々な役割を持つことが示されたことから,危機に対する生理機能調節においても何らかの役割を持つ可能性が考えられる.本稿では,骨から分泌されるペプチドホルモンであるオステオカルシンの急性ストレス応答への関与についてBergerらの報告を元に紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Berger J. M. et al., Cell Metab., 30, 890-902. e8(2019).<br>2) Khrimian L. et al., J. Exp. Med., 214, 2859-2873(2017).<br>3) Mera P. et al., Cell Metab., 23, 1078-1092(2016).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 56 (6), 567-567, 2020

    公益社団法人 日本薬学会

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