不定機能を持つ前接要素「某(ボウ)」

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タイトル別名
  • The Indefinite Enclitic “<i>Bō</i>”
  • フテイ キノウ オ モツ ゼンセツヨウソ 「 ボウ(ボウ)」

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抄録

<p>本稿は不定機能を持つ前接要素「某(ボウ)」を考察対象とし,類義関係にある「ある」と比較しながら,「某」が独自に持つ統語的特徴,「某」の不定機能がどこから生じるのかという意味論的位置付け,「某」の使用によってもたらされた語用論的効果といった課題を詳しく検討するものである。「某」の指示対象は固有名を持ち,「某」とはその固有名の部分を何らかの理由によって明かさないという表現である。「某」の不定機能は固有名の部分を明かさないことから生じるものであり,語として本来的に不定機能を持つものではない。また,「某」が独自に持つ統語的特徴として,同じ形式が再度出現できること,主題に現れること,「ある」と共起することが挙げられる。これらの統語的特徴は「某」の意味論的位置付けの根拠にもなる。最後に,「某」の使用によってどのような語用論的効果が生じるのかについて検討する。</p>

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