術後回復過程にある肺がん患者のHopeの体験

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タイトル別名
  • Hope–Related Experiences of Lung Cancer Patients During Postoperative Recovery

抄録

<p>術後回復過程にある肺がん患者のHopeの体験が明らかになることは,初期治療段階における患者の心的エネルギーを維持・高める支援へとつながり,生命の質や長さにも影響する重要な援助の視点となることが期待できる.そこで本研究では,肺がん患者への対象理解を深め,身体的心理的回復に向けた支援の手がかりを得るために,術後回復過程にある肺がん患者のHopeの体験を記述することを目的とする.肺がん手術療法後の回復過程にある肺がん患者を対象とし,半構造化面接による質的記述的研究を行った.その結果,23名の研究参加者のHopeの体験として,【肺がんでも手術ができた】【手術をしてももとの生活ができる】【残された肺とともに生きる】【がんに負けず前向きに生きたい】【今ある症状はそのうち治る】【大切な存在に頑張りを示したい】【手放しで喜べない現実を生きる】の7つのカテゴリーが導き出された.肺がん患者にとって手術ができるということは,がんの治癒や自分の生への可能性が断たれることなく続いていくことと捉えられ,根治的治療としてのイメージが強い手術治療ができたという認識が,患者自身の生命の存続の可能性につながっていた.そして回復の実感と回復に向けた自助努力により患者のHopeに繋がっていることが示唆された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300162058496
  • NII論文ID
    130007851710
  • DOI
    10.18906/jjscn.34_bando_20200603
  • ISSN
    21897565
    09146423
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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