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- 永井 知代子
- 帝京平成大学健康メディカル学部言語聴覚学科
書誌事項
- タイトル別名
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- 第120回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム 発声・発語障害の評価と対応 : 高次脳機能障害による発話障害 : 発語失行
- ダイ120カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ シンポジウム ハッセイ ・ ハツゴ ショウガイ ノ ヒョウカ ト タイオウ : コウジ ノウ キノウ ショウガイ ニ ヨル ハツワ ショウガイ : ハツゴ シッコウ
- ―高次脳機能障害による発話障害 : 発語失行―
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抄録
<p> 発話障害の責任病巣は, 大脳, 神経伝導路および小脳・大脳基底核, 構音器官の3つのレベルに分けられる. 高次脳機能障害による発話障害は, このうち大脳レベルの障害により生じる.</p><p></p><p> 高次脳機能とは, 脳機能のうち, 単純な運動・感覚以外の機能を指す. 言語や記憶, 遂行機能などに区分されるが, 失語は言語の障害であり, 特に内言語 (思考に用いられる言語) の障害である. したがって, 音声言語だけが障害されるということはなく, 読み書き障害も伴う. 失語は, 非流暢な発話を特徴とする運動失語と, 流暢だが言語理解障害が主体の感覚失語に分けられる.</p><p></p><p> 発語失行には2つの解釈がある. ひとつは, 運動失語の非流暢な発話の特徴のことであり, 広義の発語失行である. もうひとつは, 失語ではないが発話特徴は運動失語と同等であるものをいい, 純粋発語失行という. 狭義の発語失行といえば後者を指す. 日本では, 失構音・純粋語啞も純粋発語失行と同じ意味で用いるが, 欧米の専門書では, 失構音は重度の構音障害, 純粋語啞は重度の発語失行を指すと記載されており, 注意が必要である.</p><p></p><p> 発語失行の特徴は, ① 途切れ途切れの発話, ② 一貫性のない構音の歪み, ③構音運動の探索と自己修正, ④ 発話開始困難・努力性発話, ⑤ プロソディ障害とまとめられる. 特に①②は構音障害との鑑別において重要である. 発語失行は発話運動のプログラミング障害と定義され, 発語における3過程, 音韻符号化・音声符号化・運動実行のうち, 2番目の音声符号化過程の障害と説明される. これは音素レベルの発話運動プランの障害であり, 主に声道の状態変化などの体性感覚情報を用いたフィードバック制御の障害と考えれば, 中心前回のほか, 運動前野・島・中心後回など複数の領域の機能低下で生じると考えられる.</p><p></p><p> 近年話題の関連疾患として, 小児発語失行, 進行性発語失行がある. 耳鼻咽喉科を受診する場合があり, 注意が必要である.</p>
収録刊行物
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- 日本耳鼻咽喉科学会会報
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日本耳鼻咽喉科学会会報 123 (5), 321-327, 2020-05-20
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390285300162301952
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- NII論文ID
- 130007852186
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- NII書誌ID
- AN00191551
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- ISSN
- 18830854
- 00306622
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- NDL書誌ID
- 030466703
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可