繰り返し囚人のジレンマにおけるZD戦略の移動性の進化的影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Evolutionary effects of mobility in ZD strategies for the iterated prisoner’s dilemma game
説明
<p>個体間の利害対立のモデルとして繰り返し囚人のジレンマゲームはよく知られているが,Press & Dyson(2012)は自分と相手の利得期待値に線形関係を強いるZD戦略を提案し,注目を集めている.その一種,Extortion戦略は相手を上回る利得期待値が可能であるが,他のZD同様,自分自身との対戦の利得が小さく,進化的安定性に欠ける.本研究では戦略に移動性を導入し,別種と対戦し続けうる状況を設定した場合のZDの性能を検証することを目的とする.具体的には,二次元平面上で,全面協力,全面裏切り,しっぺ返し,ZDのいずれかを持つ個体が移動しながら,近傍内個体との対戦を繰り返すとともに,利得に応じて戦略が伝搬する.実験の結果,全面裏切りがいずれの条件でも存在率が最大になること,ZDは移動性がある場合の方が存在率が大きくなること,ZDの存在率の増加としっぺ返しの増加が連動することが示された.さらにZDの存在率は,移動速度や近傍の大きさがある値で最大となることもわかった.これは,移動による他戦略と対戦が重要である一方,速度が大きすぎると繰返し対戦が成立しづらくなり,ZDの特性が発揮されなくためである.</p>
収録刊行物
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- 人工知能学会全国大会論文集
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人工知能学会全国大会論文集 JSAI2020 (0), 1P5GS704-1P5GS704, 2020
一般社団法人 人工知能学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390285300165976448
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- NII論文ID
- 130007856731
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- ISSN
- 27587347
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可