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- 君島 彩子
- 総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程
書誌事項
- タイトル別名
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- Peace Monuments and Kannon Statues: Faith and Shapes Seen in the Statues of Nagasaki Peace Park
- ヘイワ モニュメント ト カンノンゾウ : ナガサキシ ヘイワ コウエン ナイ ノ チョウゾウ ニ オケル シンコウ ト ケイショウ
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説明
<p>本稿は、長崎市の平和公園に設置された彫像に対する「祈り」について考察するものである。よく知られた《平和祈念像》は、長崎市の重要な観光資源となっている。しかし巨大で異質な造形の彫像は、地域住民から批判的に論じられることが多かった。作者である北村西望は、特定宗教によらない祈りの対象を目指したが、原爆犠牲者のために祈る対象として《平和祈念像》では不十分であった。《平和祈念像》が納骨機能を持たずに完成したため、行政も関わる形で納骨堂が作られ、本尊として《聖観世音》が設置された。《聖観世音》は遺骨との関係もあり、原爆犠牲者の慰霊を祈る対象となった。長く死者の供養を担ってきた仏教によって裏付けされた《聖観世音》は、見慣れた造形であることで、信仰的な意味を理解することが容易である。つまり公共空間である平和公園の「祈り」においても、観音像のような既存の信仰体系の形象が重要であった。</p>
収録刊行物
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- 宗教と社会
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宗教と社会 24 (0), 97-111, 2018-06-09
「宗教と社会」学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390285300171083264
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- NII論文ID
- 130007867080
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- NII書誌ID
- AA11333281
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- ISSN
- 24241601
- 13424726
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- NDL書誌ID
- 029032030
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可