良性耳下腺腫瘍術後の顔面神経麻痺に対する鍼治療の1症例

書誌事項

タイトル別名
  • Acupuncture Treatment for a Patient with Facial Nerve Paralysis Due to the Operation of Benign Parotid Gland Tumor
  • 臨床報告 良性耳下腺腫瘍術後の顔面神経麻痺に対する鍼治療の1症例
  • リンショウ ホウコク リョウセイ ジカセン シュヨウ ジュツゴ ノ ガンメン シンケイ マヒ ニ タイスル シンチリョウ ノ 1 ショウレイ

この論文をさがす

抄録

<p>症例は44歳,男性。主訴は術後性右顔面神経麻痺。良性耳下腺腫瘍(径6cm 大)を摘出する際,右顔面神経頬筋枝の分枝1本を犠牲にした。術直後より頬筋枝ならびに下顎縁枝の支配領域に顔面神経麻痺を発症し,術後5日目より鍼治療を開始した。主として麻痺側顔面部などに,長さ40mm,太さ0.16mm のディスポーザブル鍼を用いて5mm ほど刺入し,15分間の置鍼治療を週1回行った。その結果,早期に右耳周囲の違和感が軽減し,徐々に右顔面神経麻痺も回復して発症6ヵ月後には治癒に至った。鍼治療が術後の組織の瘢痕やひきつれなどの二次的変化を予防し,治癒を促進したと考えられた。頬筋枝が支配する領域の麻痺は神経切断部位より末梢で他の分枝から reroot して動くようになったことが推測された。鍼灸治療の適応を検討するうえでも貴重な症例と考えられた。</p>

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ