あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう施術の推計受療者数に関する検討

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  • あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう施術の推計受療者数に関する検討 : 推計患者数との比較
  • アンママッサージ シアツ ・ ハリ ・ キュウシジュツ ノ スイケイジュリョウシャスウ ニ カンスル ケントウ : スイケイ カンジャスウ ト ノ ヒカク
  • ― 推計患者数との比較 ―

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抄録

【目的】 あん摩マッサージ指圧(以下、マッサージと略す)、はり及びきゅう(以下、鍼灸と略す) を一日に利用する国民の数を推計し、当該市場の基礎資料の整備に資する。<br> 【方法】 層化副次(二段)無作為抽出法により抽出した全国157市町村の成人2,000人を対象に、調 査日前日のマッサージ及び鍼灸の受療状況、受療場所等を個別面接聴取法により調査した。調査員の 各戸訪問日は2011年11月3日から11月20日までとした。各施術の推計受療者数は、調査日前日に 受けた受療者数の回答者総数に占める構成割合を調査日直近の成人推計人口(1億501.8万人)に挿 入して算出した。<br> 【結果】 1,365人(68.3%)から回答を得た。回答者のうち調査月の一日に何らかの治療を目的にマッ サージまたは鍼灸を受けた国民の数(推計受療者数)は、医療機関461,300人、施術所(マッサージ・ 鍼灸治療院と接骨院を併せた施設)692,100人(うち、治療院461,400人)の計1,153,400人と推計された。 一方、自己負担額を四分位数で見ると、最小値110円、第1四分位数585円、中央値1,750円、第3 四分位数4,000円、最高値12,200円であった<br> 【考察】 標本の男女比が調査日直近の国勢調査値の男女比と1.7㌽差で近似していたことなどから、 回収された標本には一定の質が担保されていたと考えられた。その上で、本研究で試算した推計受療 者の妥当性を検証するため、国民生活基礎調査の通院者数(19,109,000人)に占めるマッサージ等施 術の利用者数(3,338,000人)の割合(17.5%)を、全国のすべての医療機関の外来を2011年10月の 一日に利用した推計患者数(成人)6,350,600人に挿入したところ111.4万人が算出され、推計受療者 115.3万人に近似していた。一方、上記の推計患者数635万人とこの115.3万人との比率は5.5 vs.1で、 地域医療の中でマッサージ・鍼灸施術が一定数の国民に広く利用されている実態が明らかになった。<br> 【結論】 2011年11月に治療目的でマッサージ・鍼灸を受療した国民は約115万人と推計された。推 計患者数(成人)との比率は5.5 vs.1であったことから、マッサージ等の施術が一定数の国民に広く 利用されている実態が明らかとなった。

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