ベンジルペニシリンカリウム単剤により持続性のアニオンギャップ開大性代謝性アシドーシスを来たした一例

書誌事項

タイトル別名
  • High anion gap metabolic acidosis caused by penicillin G: A case report
  • ベンジルペニシリンカリウムタンザイ ニ ヨリ ジゾクセイ ノ アニオンギャップカイダイセイ タイシャセイ アシドーシス オ キタ シタ イチレイ

この論文をさがす

説明

<p>ペニシリン系抗菌薬は低カリウム性代謝性アルカローシスの原因になり得る.その一方,ペニシリン系抗菌薬とアセトアミノフェンを併用した際,ピログルタミン酸が蓄積し,アニオンギャップ開大性代謝性アシドーシス(high anion gap metabolic acidosis; HAGMA) を認めたという報告もある.今回,ベンジルペニシリンカリウム (penicillin G; PCG) 単剤でHAGMA をきたした症例を経験した.59 歳男性がA 群β溶連菌感染による壊死性筋膜炎・敗血症性ショックを発症し,PCG,クリンダマイシンとγ–グロブリン製剤の投与に加え,合併した急性腎不全に対して持続的血液濾過透析(continuous hemodiafiltration; CHDF) を受けた.CHDF の終了後に急速に進行するHAGMA を認め,連日の血液透析を要した.PCG 中止後にHAGMA は軽快した.PCG は単剤でもHAGMA を引き起こすことがあり,本症が疑われる場合は原因薬剤の中止を考慮するべきである.</p>

収録刊行物

  • Tenri Medical Bulletin

    Tenri Medical Bulletin 23 (1), 21-26, 2020-12-25

    公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所

参考文献 (19)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ