古代東アジアの墳墓構築における地中水対策と変遷

書誌事項

タイトル別名
  • SOIL WATER CONTROL FOR CONSTRUCTION OF ANCIENT MOUNDED TOMBS AND ITS TRANSITION IN EAST ASIA

抄録

<p> 半乾燥の黄河中流域で発展した地下埋葬の木槨墓は木炭や粘土で囲うなど様々な地中水対策がなされる.木槨墓は長江流域や朝鮮半島にまで伝播した.多くが長年の間に墓底に留水が生じた.湿潤の長江流域で地中水を避けるために盛土内に埋葬する土墩墓が構築され,これが北部九州の甕棺を有する墳丘墓に変遷し,その後地上に石室を持つ古墳へと発展する.中国東北部で誕生した積石塚は盛り上げた積石塚内に埋葬するもので,石室を有するものへと変革する.北部九州では古墳時代に海岸礫の積石塚がつくられるが,古墳に比べ簡素なもので,地中水対策は見られない.支石墓は,一部甕棺を有する北部九州のものがある.これら甕棺は当地弥生人の地中水対策の一部と考える.古墳は時代とともに多様な地中水対策の変遷が見て取れる.</p>

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参考文献 (4)*注記

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