包丁による頸部刺創で左椎骨動脈損傷および小脳梗塞をきたした一例

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タイトル別名
  • A CASE OF PENETRATING STAB WOUND THAT INJURED THE VERTEBRAL ARTERY AND INDUCED CEREBELLAR INFARCTION : A CASE REPORT

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説明

<p> 症例は74才の男性. 包丁による左頸部鋭的損傷で当院へ搬送された. Zone IIに出血を認め, 緊急手術を施行した. 左内外頸静脈損傷と頸椎背側より出血を認め, 一時的な止血を行い, 2病日に再手術を行い, 止血確認後閉創した. 術後より小脳症状を認め, 画像検査上, 小脳梗塞を認めた. 左第5 /6頸椎間 (C5/6) に刃物の破片を認め, それにより椎骨動脈を損傷し, 小脳梗塞をきたしていた. 出血や感染徴候なく, 異物摘出は施行せず, 保存的治療で経過をみた. 特に合併症なく経過し, 58病日に退院した. Zone IIの鋭的損傷では, 成傷器の確認とともに椎骨動脈損傷の可能性を念頭におき, computed tomography (CT) や血管造影検査での精査が重要である.</p>

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