中国神農架林区における森林管理の歴史と現状

DOI
  • 劉 立航
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 石橋 整司
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所
  • 安村 直樹
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林
  • 當山 啓介
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林

書誌事項

タイトル別名
  • History and current status of forest management in Shennongjia Forestry District,China

抄録

<p>神農架は中国華中地域における唯一の原生林分布地域であり、2016年には世界自然遺産に認定されている。一方、神農架は中国における森林開発と自然保護を巡る政策の変化に大きく影響されてきた地域でもあり、その変遷を背景となった時代と結びつけて分析することは、今後の中国における森林管理の参考となると考えられる。そこで、本研究では時代ともに神農架の森林がどのように扱われ変化してきたか、また現在どのような状況にあるのかを検討した。神農架は1950年代までは周辺から閉ざされた森林地帯であり8000人ほどの原住民が住み、狩猟、採取および伝統的な焼き畑を行って生活していた。1970年代からは、木材資源の不足に直面した政府が神農架の開発・利用を始め大規模な森林開発を行った結果、森林率は1950年の85%から1982年の64%にまで低下し、森林保護の重要性を認識した政府が1982年に自然保護区を設立して木材資源利用からエコツーリズムへと政策の大転換が始った。2000年に天然林の伐採が禁止され、すべての木材加工企業と木材販売市場が廃止された。2019年には森林率91%となり、エコツーリズムを中心とした産業が活性化し人口も大幅に増加した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300178392064
  • NII論文ID
    130007880740
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_408
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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