スギ林における樹冠通過雨中の放射性セシウム濃度の形成メカニズム

書誌事項

タイトル別名
  • Formation mechanism of radioactive cesium contained in throughfall in cedar forest

説明

<p> 本研究では、福島県浪江町のスギ林を調査対象として、樹冠通過雨中の放射性Cs濃度の形成機構について調査を実施した。林内外に設置した雨水サンプラーを用いて、樹冠通過雨(12箇所)及び林外雨(3箇所)を採取し、雨量と放射性Cs濃度を定量した。それらの観測結果に基づいて、樹冠通過雨量の空間分布特性と放射性Cs濃度の変動要因の解析を行った。</p><p> 樹冠通過雨量とサンプラー上部の開空度の間に相関が認められたことから、スギ樹冠下での雨量分布には樹冠構造が影響していることが示唆された。また、雨水の樹冠通過率は、イベント雨量とともに高くなる傾向を示した。樹冠通過雨の放射性Cs濃度は、樹冠通過雨量の増加とともに小さくなる傾向を示すことから、雨量の増加にともなって希釈される効果が働いている可能性が高い。放射性Cs移行フラックスは、林分単位では樹冠通過雨量の増加とともに移行フラックスも増加する傾向を示した。しかし、イベント雨量が比較的大きい場合でも移行フラックスが小さい観測例も得られており、放射性Csの濃度形成には雨量だけでなく、降雨特性の違いによる遮断プロセスの変化の影響を明らかにすることが必要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300178468480
  • NII論文ID
    130007880849
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_520
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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