亜高山帯老齢林における樹木個体群の非平衡性:40年間の観測データから
書誌事項
- タイトル別名
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- Evaluating demographic non-equilibrium of tree population: four-decade study in a late-successional subalpine forest
説明
<p>森林生態系は、撹乱によって絶えず変動しており、過去の大規模撹乱による残存物は、撹乱レガシーとして長期にわたり森林に影響を与える。主要な撹乱を欠いた老齢林では、耐陰性の高い遷移後期種が優占し、それらは安定的に維持されると考えられている。一方、先行研究では、遷移後期種を含む全優占種で、死亡率が移入率を上回る個体群統計学的な非平衡状態にあることが示された。このように、実際に遷移後期種の個体群が平衡状態かどうかは、未だに議論の余地がある。</p><p>本研究は、岐阜県・御嶽山県立自然公園内の亜高山帯老齢林を対象とし、モミ属、トウヒ、コメツガ、ダケカンバの個体群動態を定量化することを目的とした。当地には、約1万年前の御嶽山の噴火と併発した土石流の撹乱によって、土壌が薄く、岩盤が露出した場所(P1)と土壌が比較的厚い場所(PM)がある。約40年間の観測データを用いて、主要樹種の死亡率と移入率をP1とPMで比較することで、太古の撹乱レガシーが樹木の個体群動態に与える影響を長期的に検討した。各樹種の個体群動態の時間的・空間的な違いを明らかにした上で、個体群の非平衡性における撹乱レガシーの重要性について議論する。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 131 (0), 477-, 2020-05-25
一般社団法人日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390285300178493568
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- NII論文ID
- 130007880890
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可