ニホンカラマツ、グイマツおよびグイマツ雑種F<sub>1</sub>の形成層活動の季節的変化

DOI
  • 渡辺 陽子
    北海道大学大学院農学研究院
  • 福田 陽子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター北海道育種場

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal cambial activity in <i>Larix kaempferi</i>, <i>Larix gmelinii</i> var. <i>japonica</i> and their interspecific hybrid larch F<sub>1</sub>

抄録

<p>グイマツ雑種F1(以下、F1)は、初期成長が早く、病獣虫害に強いことから、北海道の主要造林種となりつつある。しかしながら、なぜF1は成長が早いのか、そのメカニズムは解明されていない。本研究では、肥大成長に関わる形成層活動に着目し、F1の花粉親であるニホンカラマツ、母樹のグイマツおよびF1の形成層活動の季節的変化について比較を行った。その結果、グイマツで木部細胞の形成開始が最も早かった(5月中旬)。その後、早材仮道管の壁肥厚は、カラマツよりグイマツとF1で早く進行し、この2種は晩材形成開始時期(7月中旬)もカラマツより早かった。一方、カラマツとグイマツは9月上旬には形成層活動を終了していたが、F1はまだ終了していなかった。F1は、他の2種と比較して、形成層活動開始時期は早くないものの、晩材開始時期が早く、形成層活動終了時期が遅かった。つまり、F1は他の2種と比較して形成層活動期間が長く、このことが良好な肥大成長の一因と考えられる。一方で、各樹種とも個体間で形成層活動のばらつきが見られた。これは、個体間差なのか品種(クローン)間差なのか、本研究では明らかにはできなかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300178661248
  • NII論文ID
    130007881131
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_781
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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