沖縄島やんばる地域の亜熱帯林における樹洞の発生

DOI
  • 高嶋 敦史
    琉球大学農学部附属亜熱帯フィールド科学教育研究センター
  • 中西 晃
    琉球大学農学部附属亜熱帯フィールド科学教育研究センター
  • 森下 美菜
    琉球大学農学部
  • 阿部 真
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 小高 信彦
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所

書誌事項

タイトル別名
  • Wood cavity generation in a subtropical forest in the Yambaru area of Okinawa Island

抄録

<p>沖縄島やんばる地域の亜熱帯林において、樹洞はケナガネズミやヤンバルテナガコガネなどの希少野生生物も利用する重要な生態学的資源である。そこで本研究では、やんばる地域の非皆伐成熟林2箇所に試験地(面積0.36haと0.25ha)を設け、胸高直径(DBH)15cm以上の幹を対象にDBHと樹洞の発生状況を調査した。なお、樹洞は立木の幹、枝、根に発生している奥行き10cm以上の穴と定義した。調査の結果、試験地内の立木の第一優占種はイタジイで、それに次いでイスノキやイジュが多かった。イタジイの樹洞を有する率(以下、樹洞発生率)は全体では22%であったが、DBH40cm以上では52%に達するなど、DBHが太くなるほど樹洞発生率が高くなる傾向が確認された。イスノキでも同様にDBHが太くなるほど樹洞発生率が高くなる傾向が確認されたが、樹洞発生率は全体で52%、DBH30cm以上では77%、同40cm以上では90%となっており、イタジイと比べてより細い幹でも高い樹洞発生率を呈していた。その一方、イジュにはまったく樹洞が発生していなかった。このように、樹洞発生率はDBHが太くなるほど高くなる傾向があるものの、樹種間による違いが大きいことが明らかになった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300178720640
  • NII論文ID
    130007881211
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_809
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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