ニホンザルの直立二足歩行における中枢制御様式

DOI IR Web Site Open Access
  • 中陦 克己
    岩手医科大学医学部,生理学講座統合生理学分野
  • 日暮 泰男
    山口大学共同獣医学部,生体機能学講座生体システム科学分野
  • 鈴木  享
    岩手医科大学医学部,生理学講座統合生理学分野
  • 守田 和紀
    岩手医科大学医学部,生理学講座統合生理学分野

Bibliographic Information

Other Title
  • ニホンザル ノ チョクリツ ニソク ホコウ ニ オケル チュウスウ セイギョ ヨウシキ

Search this article

Abstract

無拘束のニホンザルはトレッドミルの上で四足歩行と二足歩行を交互に行う歩行課題を学修できる.この課題では二足歩行時の生体信号を同じ個体が行う四足歩行と比較でき,サルの中枢神経系が直立姿勢に起因する生体力学的特性(荷重負荷と不安定性の増大)をどの様に克服するのかを,より選択的に抽出できる.そこでサルの二足歩行戦略を中枢出力の段階で理解するために下肢・体幹から歩行中の筋活動を記録して,二足と四足の間で比較した.その結果サルは二足歩行に際して,(1)荷重負荷の増大に対して抗重力筋活動を増強させ,共収縮によって骨格系を補強した.(2)不安定性の増大に対して新たな下肢運動と体幹姿勢の協調様式を動員して安定性を補償した.このサルが用いた動的平衡調節様式はヒト二足歩行の場合に極めて類似する.よって大脳皮質の細胞活動を同様に記録すれば,ヒト二足歩行の大脳皮質制御機序,即ち前頭葉性歩行障害等の病態を解明できる.

Journal

Related Projects

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top