濾胞性リンパ腫を背景に発症したループスアンチコアグラント低プロトロンビン血症症候群

書誌事項

タイトル別名
  • Lupus anticoagulant-hypoprothrombinemia syndrome associated with follicular lymphoma
  • 症例報告 濾胞性リンパ腫を背景に発症したループスアンチコアグラント低プロトロンビン血症症候群
  • ショウレイ ホウコク ロホウセイ リンパシュ オ ハイケイ ニ ハッショウ シタ ループスアンチコアグラント テイプロトロンビン ケッショウ ショウコウグン

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抄録

<p>56歳女性。繰り返す四肢の腫脹,疼痛,紫斑を主訴に受診した。PTとAPTTの延長を認め,クロスミキシング試験で凝固阻害因子の存在が疑われた。ループスアンチコアグラント(LA)陽性かつプロトロンビン活性著減を認め,ループスアンチコアグラント低プロトロンビン血症症候群(LAHPS)と診断した。基礎疾患の検索にて胸骨背面の腫瘤を認め生検を予定したが,新鮮凍結血漿の投与で凝固異常を補正できず断念した。Prednisolone(PSL)1 mg/kgの投与により凝固異常は正常化し,LAと腫瘤も消失した。LAHPSの再発なくPSLを漸減したが,経過観察のCTで多発リンパ節腫大を認め,生検により濾胞性リンパ腫と診断した。LAHPSが再発する可能性を考慮しbendamustine+rituximab療法を6サイクル行った。濾胞性リンパ腫は完全寛解となりLAHPSの再発も認めない。LAHPSはLA陽性だが出血傾向を来しうる稀な後天性凝固異常である。診断時はリンパ性腫瘍を含む基礎疾患の検索を要する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (7), 745-749, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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