皮質への経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による網膜連続電気刺激の応答に対する影響

DOI
  • 中野 由香梨
    株式会社ニデック 研究開発本部 人工視覚研究所
  • 寺澤 靖雄
    株式会社ニデック 研究開発本部 人工視覚研究所 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学領域 光機能素子科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of transcranial direct current stimulation on electrical train stimulation of the retina

抄録

<p>【目的】経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を皮質に与えると、脳の働きが増強されることが報告されている。人工視覚では、連続的に刺激を与えるとフォスフェンが見えにくくなることが知られているが、我々はtDCSによりこれが軽減できないかと考えた。本研究では、tDCS前後の網膜への連続電気刺激を評価した。【方法】ウレタン麻酔下のNormalラット(n = 3)の右側視覚皮質を露出させ、皮質に導電性ゲルを通じ陽極tDCS(0.1 mA、10 min)を印加した。皮質へのtDCS前後の電気誘発電位(EEP)を記録した。EEPは、ラットの左眼網膜に連続電気刺激(0.5 ms, cathodic-first, 100発, 20 Hz)を与えることで応答する誘発電位を視覚野より記録した。加算回数は40回とした。各刺激後15 ms付近のネガティブ側ピーク(N1)、30 ms付近のポジティブ側ピーク(P1)の差を本研究ではEEPと定義した。【結果】ピークが明瞭になる21~100発目のEEP平均値を分析に使用した。tDCS前と比較し、tDCS後はEEPの振幅が有意に減少した(p< 0.01, paired t-test)。【考察】EEPが減少したことから、tDCSにより網膜への刺激電流閾値が高くなることが推測される。今後は、tDCSを陰極刺激にすることや人工視覚が対象とする疾患のモデル動物を用いて評価を行う予定である。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual58 (Abstract), 261-261, 2020

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300180931328
  • NII論文ID
    130007884977
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual58.261
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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