非接触集束超音波による圧刺激を用いた新しい血管新生モデル

DOI
  • 高田 弘弥
    日本医科大学大学院 医学研究科 抗加齢予防医学講座
  • 若林 奈緒
    日本医科大学大学院 医学研究科 形成再建再生医学分野
  • 坂井 敦
    日本医科大学大学院 医学研究科 薬理学分野
  • 星 貴之
    ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
  • 鈴木 秀典
    日本医科大学大学院 医学研究科 薬理学分野
  • 小川 令
    日本医科大学大学院 医学研究科 抗加齢予防医学講座 日本医科大学大学院 医学研究科 形成再建再生医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Novel Model of Angiogenesis Using Compression by Noncontact Phased-Array Ultrasound

抄録

<p>最近になって、細胞の微小変形が創傷治癒を加速することがわかってきた。伸展、圧など様々な外的な力が細胞機能を活性化するメカノバイオロジー機構が働いていると考えられている。そこで、従来にない非接触で圧刺激を制御することができる空間集束超音波デバイスに着目し、応用を試みた。ヒト微小血管内皮細胞に対する圧刺激の感知・応答機構について、外界から細胞頂上面へ加えられた力が血管内皮細胞の増殖および管腔形成をどのように調節するかを検討した。その結果、細胞頂上面からの周期的圧刺激がアクチンの脱重合や高頻度Ca2+オシレーションの誘起が血管形成に関与している可能性が示唆された。次に、マウス創傷モデルを用いて創傷治癒過程における周期的圧刺激の役割の解析を行った。マウスの背部正中対称に左右に全層欠損創を作成し、右創に周期的圧刺激を与え、左創を対照とした。組織免疫染色により、周期的圧刺激がコラーゲン産生、上皮化に先立ち、CD31陽性血管新生を促し、創傷治癒を加速することがわかった。血管新生関連遺伝子がDLL1、Notch1の順に継時的及び一過性の発現量増加を示したことから、周期的圧刺激はDLL1を介した血管新生メカニズムに寄与すると考えられる。細胞の微小変形にともなう分子機構を血管再生医療に活用することを目的に、世界に先駆けた非接触型デバイスによるわが国発のメカノバイオロジー医療、すなわち、メカノセラピーの実践を目指している。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual58 (Proc), 553-554, 2020

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300181037184
  • NII論文ID
    130007885116
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual58.553
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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