P-2-G08 子どもたちと家族に遊びを提供するための取り組み

DOI
  • 菅沼 雄一
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 リハビリテーション部
  • 吉井 牧子
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 リハビリテーション部
  • 片山 由美子
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 リハビリテーション部
  • 豊島 彩子
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 リハビリテーション部
  • 冨樫 怜奈
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 リハビリテーション部
  • 加藤 康子
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 リハビリテーション部
  • 星 順
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 診療部医局
  • 奈須 康子
    埼玉医大福祉会 カルガモの家 診療部医局

書誌事項

タイトル別名
  • −医療型障害児入所施設からの紹介−

この論文をさがす

抄録

はじめに 重症心身障害児は著しく運動や表現が制限されるために、成長の過程において年齢に応じた遊びを経験する機会が少ない現状にある。また身体が発育した児は、より介助者の負担も増え、行えることが減少する傾向にある。近年、補装具や玩具が著しく発展しているが、重度の運動障害をもつ子どもたちが遊べる遊具はまだ少なく、各々の施設・学校などで一からモノづくりをしながら遊びや活動を考案している現状がある。今回、我が施設におけるリハビリテーションおよび療育活動における、様々な遊具を用いた遊びや活動の一部を紹介し、今後の展望と課題を提示させていただく。 遊具と遊び方 今回、強化ダンボール、イレクターパイプ、木素材の遊具を用意し使用した。ブランコは親子兄弟で乗ることを想定し、スペースを確保することで姿勢保持具も併せて使用できた。揺れる遊具は関節可動域の狭い子どもでも乗れるようにし、抗重力運動や揺れ遊びができるものを用意した。気管切開をしていて呼吸器の必要な子どもについては接続管と気管カニューレが動かないように工夫をし、できるかぎり大きな動きを取り入れられるように配慮した。これにより、重度の運動障害のある子どもや医療依存度の高い子どもでも、ダイナミックな遊びや家族とともに楽しむ遊びを工夫することができた。 今後の課題と展望 今回、施設外部のリハ工学とデザインの専門家に協力していただくことによって、転倒や破損のリスクを最小限に抑える遊具の工夫を行えているが、多様で容易な誰もが使えるデザインを検討していく必要がある。呼吸器を24時間必要とする子どもたちには移乗の際により多くの人手が必要となり、喀痰吸引が必要な子どもにはご家族もしくは医師・看護師等の協力が不可欠となる。今後、衛生面への配慮や協力体制のマニュアル化を行うことで、より多くの子どもたち・ご家族が有意義な時間を過ごす場面を増やせるようにしたいと考えている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ