気管支鏡下に切除したカリフラワー状の形態を示した気管支内過誤腫の1例

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  • Endobronchial Hamartoma with Cauliflower-like Morphology Resected by Flexible Bronchoscopy

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抄録

<p>背景.気管支過誤腫は,間質系成分の割合や局在で様々な肉眼的所見や性質を示す.症例.49歳男性.健診で胸部異常影を指摘された.胸部CTでは左B9-10入口部に8 mm大の境界明瞭な結節を認め,気管支腫瘍が疑われた.気管支鏡では病変は淡紅色で表面はカリフラワー状のポリープであり,外力で容易に変形し柔軟性に富んでいた.気管支鏡所見からは上皮もしくは上皮下由来の腫瘍が第一に考えられた.気管支鏡所見分類・CT所見・生検結果より,良性のポリープ状腫瘍と考えられたので軟性気管支鏡下に腫瘍切除及びレーザー焼灼を行ったところ,気管支内過誤腫の診断となった.過誤腫に非典型的な表層の形態や柔軟性は,プロテオグリカンやムコ多糖に富む上皮下の粘液様組織及び間質系成分の局在によるものであった.結論.カリフラワー状の非典型的な形態を有する気管支内過誤腫の1例を経験した.治療に際しては気管支鏡下の腫瘍切除及びレーザー焼灼の適用を判断し,肺の温存に努めることが肝要である.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 42 (4), 322-326, 2020-07-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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