A Case of Sebaceous Carcinoma at the Abdomen with Slow Progress

  • BABA Mayumi
    Division of Dermatology, National Sanatorium Amami-Wakouen

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  • 緩徐な経過で腹部に生じた脂腺癌の 1 例
  • 症例 緩徐な経過で腹部に生じた脂腺癌の1例
  • ショウレイ カンジョ ナ ケイカ デ フクブ ニ ショウジタ シセンガン ノ 1レイ

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<p>脂腺癌は Meibom 腺を発生母地とする眼瞼型脂腺癌と,眼瞼以外の皮脂腺に由来する眼瞼外脂腺癌に大別される。過去には眼瞼型脂腺癌の報告が多く,眼瞼外脂腺癌は稀と考えられていたが,近年は頭頚部以外の発生報告も散見される。自験例は,当初近医にて Bowen 病と診断され,当院でも有棘細胞癌と考えた。脂腺癌の好発部位である頭頚部ではなく腹部に発生していること,また臨床的に黄色の顆粒状結節ではなく,紅色で表面が滑らかな結節であったことが理由であるが,病理組織学的に脂腺癌であった。過去の文献から眼瞼外脂腺癌を検索し,その発生部位を調べた。体幹部に発生した脂腺癌の症例は,2009 年の Yale 大学における脂腺癌 1349 例のうち 13.3%,1983~2018 年の本邦報告 160 例のうち 20.0% であった。頭頚部の発生報告と比較すると体幹部の発生は少ないものの,稀ではないことがわかる。また,脂腺系腫瘍が発生したときには Muir-Torre 症候群の可能性を考える必要がある。自験例は詳細が不明であるものの大腸癌の既往があり,診断基準を満たした。しかし高齢社会において重複癌も珍しくない時代となり,現在の Muir-Torre 症候群の診断基準を満たしてしまう症例も多くなることが予測される。 Muir-Torre 症候群の疫学の研究や診断基準の見直しも望まれる。</p>

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