総肝動脈神経叢に発生した神経鞘腫の1例

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  • A Case of Schwannoma Arising from the Nerve Plexus around the Common Hepatic Artery

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抄録

<p>症例は65歳男性.鼠径ヘルニアに対して手術予定であったが,術前に施行した腹部超音波検査で,肝門部から膵上縁に至る80mm大の低エコー腫瘤を認めた.腹部造影CTでは肝十二指腸間膜に沿って比較的均一な腫瘤像を認め,辺縁に被膜様構造を伴っていた.MRI検査ではT2強調画像で全体に軽度の高信号,辺縁は軽度の低信号であり,内部に囊胞様領域を認めた.総胆管および左右肝管の狭小化を認め,圧排もしくは浸潤が疑われた.FDG-PET検査では同部位にSUVmax=7.35の集積亢進を認めた.EUS-FNAの病理所見結果から神経鞘腫が疑われ腫瘍摘出術の予定で開腹した.しかし,腫瘍と総胆管および右肝動脈との剝離が困難であり,悪性末梢神経鞘腫瘍の可能性を否定できず,肝右葉切除術・胆道再建術を施行した.術後病理組織学的所見では総肝動脈神経叢から発生した神経鞘腫であり,総胆管・右肝動脈を圧排していた.総肝動脈神経叢に発生した神経鞘腫の報告例はわずかであり,若干の文献的考察を加え報告する.</p>

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